スタッフの紹介
松山劇場を支えているマツゲキスタッフをご紹介
松山劇場の舞台裏に潜入リポート!マツゲキスタッフの隠れた素顔と熱い思いをご紹介します。
支配人の案内で関係者以外立ち入り禁止の劇場の奥まで。楽屋でお化粧をしている劇団員の方々を横目にその隣にある舞台へと上がらせていただいた。そこには、お芝居の舞台をセッティング中の2人の男性の姿が・・・作業の手を止めてにこやかな笑顔で迎えてくれた。
大道具・小道具担当
久米正一(くめしょういち)さん
「みんなからは棟梁(とうりょう)と呼ばれています。」
経験豊富な舞台製作の責任者である。
「幸せを感じるときは、 舞台がうまく出来たという事よりも劇団のお芝居がうまくいってお客さんに喜んでもらえたとき。一人ではなく、みんなでやったという達成感は何とも言えないものがある。」と語る。
そして「お客さんの声って舞台裏によく聞こえるんですよ。お客さんの拍手と歓声が聞こえてくると本当に嬉しいですね。この仕事にやりがいを感じる瞬間です。」と顔をほころばせる。大衆演劇、舞台、そしてお客様への熱い想いが伝わってくる。
そんな裏方に徹している久米さんだが、ショーのひとつとして、松山劇場の表舞台で自作のオリジナル曲を歌ったことがあるとのこと。どんな曲なのかは「ふふふ・・・」と笑って教えてもらえなかったが、ぜひまた機会があれば聴かせて欲しい。
今度、お芝居を観に行った時には、舞台裏の久米さんにも、大きな拍手と歓声を届けよう。
大道具・小道具担当
西田一人(にしだかずひと)さん
久米さんから「親子ほど年が離れている」と紹介された若手スタッフ
「みんなからは普通に西田くんと呼ばれてます。」
支配人について「・・・見たまま、そのままの人。・・・特に親しみやすいというわけでもないけど、上から物を言うタイプではないですね。」と飾らない言葉で語る。
朴とつな印象の青年。言葉少なではあるが、終始にこやかな笑顔である。
久米さんが松山劇場の舞台で披露したオリジナル曲では西田さんがギターを担当したとのこと。本人は謙遜するが、ギター歴は15年、かなりの腕前なのだろう。
将来は棟梁?
黙々と作業を続ける二人を後に、松山劇場の入り口に移動
松山劇場の看板娘
朝倉美幸(あさくらみゆき)さん
6F受付でお客様を笑顔でお出迎え。チケット販売や売店などお客様対応全般を任されている。松山劇場の常連さんたちが朝倉さんに声をかけ、次々と劇場に入っていく。みんなからは親しみを込めて「ねーちゃん」と呼ばれているそうだ。
「支配人は・・・面白いですよ~。言うことは言うけど、上からっていう感じはないですね。」「休日は家でのんびり、DVD観たりしてます。」穏やかな口調でゆったりと話してくれる。癒やし系という感じ。
しかし、話をしている途中でも、劇団やお客様の動きを察してすばやい動きを見せる。 常に目配り、気配りが行き届いている。そして 仕事の話になると、口調が一転、熱くなる。
「すごくやりがいはありますよ。大衆演劇というと、人によってはいい印象を持っていないのかもしれないけれど、実際に観ていただくとまた違った印象を持ってもらえるのでは。仕事では良い事も嫌な事もあるけれど・・・たくさんのお客さんに来てもらえたり、帰り際に『今日のはよかったよ~。また来ようわい。』と声をかけてもらえたりすると、とても嬉しいですね。」
お客様に喜んでいただくことが仕事、それが朝倉さんの喜びにもつながっているようだ。
松山劇場の事務・受付全般担当
「私は裏方なので・・」と言いながらも、お客様と大衆演劇、松山劇場への思いを語ってくれた。
「ここには、本当にいろいろな方がいらっしゃるんですよ。20年前のオープンのときからずっと続けて観にきてくださっている方、『ご主人を亡くして外に出たくないとひきこもりがちになっていたけど、友達に誘われてここに来たらとても癒されたんよ。』と話してくださる方、いろいろな事情を抱えている人たちが『ここに来て元気になったよ』と声をかけてくださるんです。」とお客様の個人的な話し相手にもなっているようだ。
- 大衆演劇について
「いろいろな個性を持った劇団が毎月入れ替わり、お客様を楽しませてくれている。最近の若い劇団も熱心に稽古をされていて、大衆演劇を盛り上げようと頑張っています。エンターテイメント性豊かで観客参加型の大衆演劇は、今の若い人たちにも受け入れられると思う。大衆演劇を知らない人たちにも、臨場感のあるお芝居やショーを観てもらいたい。」
- 松山劇場について
「毎日のように観劇にいらっしゃるお客様は大衆演劇のファンであると同時に、マツゲキ松山劇場のファンでもあります。松山劇場はコミュニケーションの場にもなっていて、お芝居だけではなく、友達に会える、スタッフともお話できるそんな癒やしの場所なのでしょう。いつも観劇を楽しみに来てくださるファンの方たちのためにも、なんとか続けていきたい。裏方さんたちも本当に頑張ってくれている。お客様に元気になってもらいたいと思っているのに、反対に、お客様の『頑張って!』の声に元気をもらっているんです。」
そう言いながら、優しい目は訪れるお客様たちをそっと見守っている。
…………………….
最後に
大衆演劇の魅力は観客と役者さんとの距離の近さ、一体感であるといわれるが、裏方のスタッフなしにはその空間は存在しない。
お客さんが劇場に足を踏み入れたときからお芝居はもうすでに始まっている。
観客・劇団・スタッフ一人ひとりが、それぞれの役割を演じているのだ。
そしてそのつながりが他の演劇には見られない一体感のある空間を造りあげている。
「大衆演劇を始めて20年
マツゲキはずっと演じ続けます。」